変形性膝関節症で膝の痛みに悩む方にとって、歩き方を工夫することは、痛みを和らげ、症状の進行を防ぐために非常に重要です。
膝への負担を減らす正しい歩き方
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姿勢を正す
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背筋を伸ばし、胸を張るように意識しましょう。
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視線は足元ではなく、数メートル前を見るようにします。
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猫背や反り腰は膝に余計な負担をかけるので避けましょう。
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かかとから着地し、スムーズに重心を移動させる
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まず、かかとから地面に着地し、次に足の裏全体、最後に親指の付け根で地面を蹴り出すように歩きましょう(ローリング歩行)。
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ドスンと足裏全体で着地したり、つま先から着地したりすると、膝に強い衝撃が加わります。
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歩幅を狭くする
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大股で歩くと膝が大きく伸び、負担がかかりやすくなります。
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歩幅は靴1足分くらいを目安に、小刻みにリズムよく歩くのがおすすめです。
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膝の向きを意識する
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膝とつま先が常に同じ方向を向くように意識しましょう。
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内股やガニ股で歩くと、膝にねじれの力が加わり、軟骨や半月板にダメージを与えやすくなります。
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痛みのない範囲で歩く
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「少し痛むけれど、歩けば治るだろう」と無理を続けるのは禁物です。
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痛みを感じたらすぐに休憩するか、歩くのをやめましょう。
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杖の選び方と使い方
杖は、膝にかかる体重を分散させ、痛みを和らげるための有効なツールです。
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持つ手
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痛む膝と反対側の手で持つのが基本です。
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これにより、体重が分散され、痛む膝にかかる負担が軽減されます。
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適切な長さ
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杖の長さは、身長÷2+2〜3cmが目安とされています。
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杖を地面につき、軽く肘を曲げた状態で、グリップが手首の骨の出っ張り(大転子)の高さに来るのが理想的です。
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短すぎると前傾姿勢になり、長すぎると逆に不安定になるため、自分に合った長さに調整することが重要です。
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杖の種類
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一本杖(T字杖):最も一般的で、歩行のふらつきを抑えたい方におすすめです。軽量なアルミ製やカーボン製が多く、握りやすいグリップを選ぶと良いでしょう。
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多点杖(四点杖):地面に接する部分が4つに分かれており、一本杖よりも安定性が高いのが特徴です。筋力が低下している方や、より安定した歩行を求める方に向いています。
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杖を選ぶ際は、実際に手に取って重さや握りやすさを確認し、自分の身長に合わせて調整できるものを選ぶと安心です。専門の医療機関や介護用品店で相談すると、より自分に合った杖を見つけられます。