第7回 夜間痛を克服する!快眠のための寝方と日常生活の工夫
質の高い睡眠を取り戻す!肩の負担を最小限にするポジショニング術
四十肩(肩関節周囲炎)の初期である急性期を過ぎ、慢性期に入ると、多くの場合、夜間痛(やかんつう)は軽減していきます。しかし、疲れが溜まったり、日中に無理をして肩を使いすぎたりすると、慢性期や回復期でも夜間痛が再発することがあります。
激しい痛みに夜中に何度も起こされてしまうと、睡眠不足から治療に対する意欲も低下してしまいます。夜間痛を克服し、質の高い睡眠を確保することは、体力の回復と、リハビリ効果を高めるためにも非常に重要です。
今回は、夜間痛を予防・軽減するための「正しい寝方(ポジショニング)」と、肩に負担をかけないための「日常生活での工夫」について、具体的な方法を詳しくご紹介します。
1. 慢性期でも夜間痛が再発する原因
急性期を過ぎたにもかかわらず、夜間痛が再発する主な原因は、主に以下の2点です。
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血行不良の悪化:
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睡眠中は体温が下がり、血行が悪化しやすくなります。慢性期でも、関節包周囲の血流が滞ると、炎症物質が洗い流されずに留まり、痛みを引き起こすことがあります。
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就寝時の不適切な姿勢(ポジショニング):
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無意識のうちに痛い方の肩を圧迫して寝てしまう。
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仰向け寝で肩が後方に「落ち込む」ような状態になり、硬くなった関節包や腱板が無理に伸ばされる。
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これらの原因を解消し、肩関節に負担がかからない姿勢を作ることが、夜間痛対策の鍵となります。
2. 快眠のための「ポジショニング術」
夜間痛対策は、「肩関節を最も安定させ、力が抜けるポジションで固定すること」が基本です。
対策①:寝る姿勢の基本は「痛くない方を下」
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絶対避けるべき姿勢: 痛い方の肩を下にして横向きに寝ること。体重で関節が強く圧迫され、激痛の原因となります。
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推奨姿勢:仰向け、または痛くない方を下に
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仰向け寝: 最も肩に負担が少ない姿勢ですが、肩が後方に落ち込まないよう、以下の工夫が必要です。
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横向き寝: 痛くない方を下にして、痛い方を上にした姿勢が推奨されます。
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対策②:クッションとタオルを活用する具体的な方法
寝ている間に肩が不安定な位置になるのを防ぐため、必ずクッションや抱き枕を活用しましょう。
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抱き枕・クッションの活用(推奨):
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痛い方の腕全体を抱き枕や厚めのクッションの上に乗せて寝ます。
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ポイント: 腕が胴体より少し高い位置になり、肩の関節が前に固定されることで、関節包の不必要な伸展を防ぎ、安定します。
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背中のサポート(仰向け時):
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仰向けに寝るときに、痛い方の肩甲骨の真下や、肩の少し後ろに丸めたタオルを敷き、肩をわずかに持ち上げます。
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目的: 関節包が極端に伸ばされるのを防ぐ効果があります。
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痛みがある夜間の緊急対策:
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痛みが強いときは、上半身をやや起こした姿勢で寝ると楽になることがあります。背もたれ付きのクッションなどを使い、少し座ったような姿勢で寝てみましょう.
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3. 日常生活で肩の負担を減らす工夫(動作のヒント)
リハビリでせっかく動きを取り戻しても、日中の無理な動作で肩に負担をかけ、再炎症を起こしてしまっては意味がありません。特に制限されやすい動作について、肩を守る工夫を取り入れましょう。
💡 着替え(最も危険な動作の一つ)
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脱ぎ方: 痛くない方の腕から先に脱ぎ、最後に痛い方の腕を脱ぎます。
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着方: 痛い方の腕から先に袖を通し、その後、痛くない方の腕を通します。
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ポイント: 痛い方を「お姫様」のように優しく扱う、と覚えておきましょう。
💡 洗髪・洗顔
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洗髪: 痛い方の腕を無理に上げず、痛くない方の腕をメインに使って洗います。シャワーヘッドを低い位置に固定するか、浴槽の縁に肘をつくなどして、腕の重さを支えながら洗うと楽になります。
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洗顔: 痛い方の腕を上げて顔を洗う代わりに、痛くない方の手を伸ばし、痛い方の手のひらに水を溜めて洗うなど、極力痛い方の腕を使わない工夫をします。
💡 家事(洗濯、料理)
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洗濯物: 洗濯物を高い位置の物干し竿にかける動作は、腕を真上に上げるため負担が大きいです。できるだけ、身長より低い位置に干す、または洗濯バサミを使う際には踏み台を使うなど、肩の高さ以上に腕を上げない工夫をしましょう。
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高い場所の物: 高い棚の物を取る際は、踏み台を使い、腕を上げずに水平方向にスライドさせるように取ります。
💡 運転・パソコン作業
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車の運転: ハンドル操作で肩が突っ張る場合は、座席を少し前に出し、肘が伸びきらないように調整します。長距離運転は避け、休憩を頻繁に取りましょう。
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デスクワーク: パソコンのキーボードやマウスを使う際、肘を90度に曲げた位置で固定できるよう、椅子の高さや肘掛けを調整します。肘が肩より高い位置になるのは避けましょう。
4. 慢性期のリハビリ効果を高める温熱療法の活用
慢性期は、血行を改善することで組織の柔軟性を高め、リハビリの効果を最大限に引き出すことが重要です。
| 温熱療法の活用法 | 効果 |
| 入浴(全身温浴) | 湯船に浸かり、全身を芯から温めることで、血流を大幅に改善します。リハビリ前や就寝前に行うのが効果的です。 |
| ホットパック | 患部をピンポイントで温めます。電子レンジで温めるタイプや、使い捨てカイロなどをタオルで包んで使用します。夜間痛が起きやすい肩甲骨周りなどを温めるのも有効です。 |
| 遠赤外線ヒーター | 医療機関でも使われることがありますが、自宅用の簡易的なものを活用するのも良いでしょう。関節の深いところまで熱が伝わりやすいのが特徴です。 |
注意点: 前々回でも述べたように、激しい痛みが残る急性期には温めると炎症が悪化する可能性があるため、温熱療法は慢性期以降に限定して行ってください。
日常生活の小さな工夫を積み重ねることで、肩への負担は大きく軽減され、夜間痛を防ぐことができます。質の良い睡眠は、回復を早めるための最良の薬です。
次回のブログでは、痛みが落ち着き、可動域が回復してきた「回復期」に焦点を当て、「再発を防ぎ、しなやかな肩を作るための筋力トレーニング」について解説していきます。
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