第5回：股関節だけじゃない！-全身のバランスを整える重要性
「股関節が痛いのに、なぜ腰や首を施術するの？」 そう疑問に思われた方もいるかもしれません。今回は、なぜ股関節の痛みに対して、全身のバランスを整えることが重要なのか、その理由を詳しく解説します。
全身は「筋膜」でつながっている
私たちの身体は、筋肉や骨、内臓、血管などをすべて包み込んでいる「筋膜」という薄い膜で全身が立体的に連結されています。例えるなら、全身を覆うウェットスーツのようなものです。
この筋膜は、特定の場所にゆがみが生じると、そのゆがみが筋膜のネットワークを通じて、全く別の場所に影響を及ぼすことがあります。 股関節の痛みをかばうために、不自然な姿勢で歩いたり、座ったりするようになると、
- 腰や骨盤の筋膜がねじれ、腰痛を引き起こす
- 背中や肩の筋膜が硬くなり、肩こりや首の痛みを引き起こす といった連鎖的な不調が生じます。
つまり、股関節の痛みは「股関節だけの問題」ではなく、「全身の不調のサイン」であると考えるべきなのです。
股関節と「土台」の関係：骨盤と脊柱
股関節は、身体の土台である「骨盤」と密接に関係しています。
- 骨盤のゆがみ: 長年の悪い姿勢や股関節の痛みをかばう歩き方によって、骨盤が前後に傾いたり、左右にねじれたりすることがあります。骨盤がゆがむと、その上にある背骨（脊柱）もバランスを取るために不自然にカーブし、全身の姿勢が悪くなります。
- 脊柱の柔軟性: 背骨は、身体の軸となり、あらゆる動作をサポートしています。しかし、股関節の動きが制限されると、その代償として腰や背中の動きが増え、結果として脊柱に過剰な負担がかかり、硬くなってしまいます。硬くなった脊柱は、股関節の柔軟な動きをさらに妨げる悪循環を引き起こします。
股関節と「末端」の関係：膝、足首
股関節の痛みは、歩行時の衝撃吸収やバランスの取り方にも影響を与えます。
- 膝や足首への負担: 股関節の動きが悪くなると、歩行時の衝撃を股関節で吸収できなくなり、その負担が直接、膝や足首に伝わります。これにより、変形性膝関節症などを併発するリスクが高まります。
- 足の形の変化: 不自然な歩き方を続けると、足のアーチが崩れたり、扁平足になったりすることもあります。これは、足首や足の指の動きを制限し、全身のバランスをさらに悪化させます。
全身を一つのユニットとして捉える「トータルケア」
当院では、股関節の痛みを根本から改善するために、身体全体を一つのユニットとして捉えた「トータルケア」を重要視しています。
- 股関節の施術: 股関節周囲の筋肉を丁寧に優しくゆるめ、関節の可動域を広げます。
- 骨盤の調整: ゆがんだ骨盤を正しい位置に戻し、身体の土台を整えます。
脊柱、膝、足首のケア: 関連する関節の柔軟性を高め、連動した動きができるように促します。
※ご相談はこちらからお気軽になさってください。
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