第7回:手術の選択肢とタイミング-手術を考える前に知っておくべきこと
保存療法で痛みをコントロールし、日常生活を送ることが困難になった場合、次に考える選択肢が「手術」です。手術は、長年の痛みを根本から解決できる可能性を秘めていますが、同時に大きな決断でもあります。今回は、どのような場合に手術を検討すべきか、その判断基準についてお話しします。
手術の適用範囲:どのような状態になったら考えるのか
手術の適用は、一般的に以下のような場合に検討されます。
- 保存療法を継続しても、痛みがコントロールできない場合
- 安静にしていても痛みが続く
- 夜間、痛みのために眠れない
- 痛み止めを飲んでも効果がない
- 日常生活に著しい支障が出ている場合
- 歩行が困難になり、杖や手すりがないと歩けない
- 長時間立つことや座ることができない
- 家事や仕事に大きな支障が出ている
- 変形性股関節症が末期まで進行し、画像診断で重度の変形が確認された場合
- レントゲンで関節の隙間がほとんどなくなっている
- 骨棘が著しく発達している
これらの状況は、もはや保存療法では根本的な解決が難しく、手術による股関節の再建が最も有効な選択肢となります。
手術の種類:人工股関節置換術とは
股関節の変形が進行し、軟骨が完全にすり減ってしまった場合に行われる代表的な手術が「人工股関節置換術」です。
この手術は、
- 傷んだ大腿骨頭を削り取り、金属製の人工骨頭に置き換える
- 傷んだ臼蓋も削り、ポリエチレン製のライナーを挟んだ金属製の人工臼蓋に置き換える というもので、これにより、人工的な関節を形成し、痛みの原因である骨同士の摩擦をなくします。
最近では、人工関節の素材や手術手技の進歩により、人工関節の耐久性も向上し、術後の生活もよりアクティブなものになっています。
手術を判断する「タイミング」:主治医との連携
手術の判断は、主治医の診断と患者様ご自身の意思に基づいて行われるべきです。
- 主治医の診断: レントゲンやMRIなどの画像診断と、患者様の症状や身体の状態を総合的に評価し、手術が本当に必要な段階にあるかどうかを判断します。
- 患者様の意思: 「この痛みを抱えたままでは、仕事も趣味も楽しめない…」 「これ以上、家族に負担をかけたくない…」 といった、患者様ご自身の「QOL(生活の質)」をどこまで求めているかが、手術を決断する上で非常に重要な要素となります。
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