第6回 今日からできる!安全な「振り子運動」と「可動域を広げるストレッチ」
自宅で毎日実践!固まった肩を解きほぐすセルフケアの極意
前回の第5回では、痛みが治まった慢性期(拘縮期)において、固まった肩の動きを取り戻すためのリハビリテーションが不可欠であることを解説しました。病院での理学療法士による指導はもちろん重要ですが、リハビリの成否を握るのは毎日の自宅でのセルフケアです。
リハビリで得られた可動域を維持・拡大していくためには、無理のない範囲で、正しい方法に基づいた運動を継続することが求められます。
今回は、慢性期のセリフケアの基本中の基本である「振り子運動(コッドマン体操)」と、固まった肩の可動域を安全に広げるための具体的なストレッチ方法を、注意点と合わせて詳しくご紹介します。
1. リハビリを始める前の心構えと準備
自宅でのセルフケアを始める前に、以下の点を確認しましょう。
🔹 開始時期の確認
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急性期はNG: ズキズキとした激しい痛みや夜間痛が残る急性期は、安静が最優先です。運動を始めると炎症が悪化する可能性があるため、自己判断せず、必ず医師の許可を得てから始めましょう。
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慢性期(拘縮期)からスタート: 安静時の痛みがなくなり、「動かしたときにだけ痛む」という慢性期に移行したら、リハビリを開始するタイミングです。
🔹 準備:温めてから行う
ストレッチは、肩の血行が良く、筋肉や関節包が柔らかい状態で行うと効果的です。
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入浴後がベスト: シャワーで済ませず、湯船にゆっくり浸かって全身を温めた後が最も適しています。
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ホットパックの活用: 入浴が難しい場合は、蒸しタオルや市販のホットパックなどで、肩周りを10分ほど温めてから行いましょう。
2. 慢性期の基本「振り子運動(コッドマン体操)」
振り子運動(コッドマン体操)は、自分の腕の重みを利用して、肩の力を抜いた状態で関節を動かす、最も基本的なリハビリ方法です。肩の力を抜き、関節の緊張を緩めることを目的とします。
| ステップ | 振り子運動の具体的なやり方 |
| 【姿勢】 | 1. 痛くない方の手をテーブルや椅子の背もたれに乗せ、上半身を前かがみにします。2. 痛い方の腕は完全に力を抜き、だらんと垂らします。 |
| 【運動】 | 3. 反動をつけず、腕の重みだけで、以下のように小さな円を描くように動かします。 |
| 前後運動 | 腕を前後にゆっくりと揺らします。10回~20回。 |
| 左右運動 | 腕を左右にゆっくりと揺らします。10回~20回。 |
| 円運動 | 時計回り、反時計回りにゆっくりと小さな円を描きます。10回~20回ずつ。 |
| 【ポイント】 |
運動中は肩の力を完全に抜くことが重要です。痛みが強くなる場合は、円を小さくするか、運動を中止してください。 |
3. 可動域を広げるための安全なストレッチ
振り子運動で肩の緊張をほぐしたら、次は「前方挙上(腕を前に上げる)」「外転(腕を横に上げる)」「回旋(腕を回す)」という、日常生活で特に制限されやすい動きを改善するためのストレッチを行います。
① 前方挙上改善ストレッチ:棒体操(セルフ介助運動)
固まった肩を、痛くない方の腕で補助しながら動かす、他動運動に近い効果を得るための体操です。タオルや軽い棒(杖や傘など)を使用します。
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準備: 棒の両端を両手で持ち、体の前に構えます。
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方法: 痛くない方の手で棒を押し上げ、痛い方の腕は力を抜きながら、棒と一緒にゆっくりと頭上に持ち上げます。
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ストップ: 肩に突っ張る感じや、軽い痛み(痛気持ちいい程度)を感じたところで動きを止めます。
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保持と回数: その位置で10秒~20秒キープ。これを1セットとし、5回程度繰り返します。
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注意点: 腕を上げる代わりに、肩をすくませてしまわないように注意しましょう。
② 内旋改善ストレッチ:タオル・エプロン絞り運動
背中に腕を回す動作(内旋)は、四十肩で最も制限されやすい動きの一つです。タオルを使って安全に可動域を広げます。
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準備: タオルを縦に持ち、痛くない方の腕を上から、痛い方の腕を下から背中に回してタオルを掴みます。(エプロンを結ぶような姿勢になります)
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方法: 痛くない方の腕でタオルを上方向にゆっくりと引っ張ります。
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ストップ: 痛い方の腕が、肩関節の後ろ側で「伸びている」と感じる程度で止めます。
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保持と回数: 伸ばした状態で10秒~20秒キープ。これを5回程度繰り返します。
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注意点: 鋭い痛みを感じるまで無理に引っ張らないでください。
③ 外旋改善ストレッチ:壁を使ったストレッチ
腕を外側に回す(外旋)動きは、ドアノブを回す、顔を洗うなどの動作に重要です。
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準備: 痛い方の腕の肘を90度に曲げ、肘から手の甲側を壁にぴったりとつけます。
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方法: 腕を壁につけたまま、体をゆっくりと壁から遠ざけるようにひねっていきます。(手の甲が壁に押さえつけられるような形になります)
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ストップ: 肩の前面がじんわりと伸びるのを感じたところで止めます。
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保持と回数: 10秒~20秒キープ。これを5回程度繰り返します。
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注意点: 痛いからといって、肩をすくませないように注意し、肩甲骨周りの筋肉もリラックスさせましょう。
4. リハビリを成功させるための3つのポイント
Point 1:毎日、少量を継続する
「週末にまとめてやる」よりも、「毎日欠かさず、無理のない回数だけ行う」方が、固まった組織には効果的です。特に、温まった状態が持続する入浴後に、各種ストレッチを1セットずつでも毎日継続しましょう。
Point 2:痛みを「見極める」
慢性期にリハビリを行う際、「突っ張り感」や「痛気持ちいい」程度の痛みは避けられません。しかし、それがズキズキとした鋭い痛み(再炎症のサイン)に変わった場合は、すぐに運動を中断してください。この「良い痛み」と「悪い痛み」の見極めが非常に重要です。
Point 3:痛みが強い日は「振り子運動」のみに
もし運動中に痛みが増したり、疲労感がある日は、負荷の高いストレッチは避け、振り子運動のみを行いましょう。関節の緊張を緩め、血流を促進する効果だけでも継続することが大切です。
慢性期のゴールは、失われた関節の可動域を最大限に取り戻し、日常生活動作(ADL)を回復させることです。次回のブログでは、夜間痛が再発したり、肩に負担をかけたりしないよう、「快眠のための寝方と日常生活の工夫」について詳しくご紹介します。
※ご相談はこちらからお気軽になさってください。
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