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第6回:実際の施術アプローチ。筋膜リリース、関節調整が側弯症になぜ効くのか

はじめに:ただ「揉む」だけでは、なぜ足りないのか

「60分のマッサージを受けて、その場は気持ちいいけれど、帰り道ではもう背中が重い」 そんな経験はありませんか?

これは、施術者の腕が悪いわけではありません。一般的なリラクゼーションマッサージがターゲットにしているのが、主に表面的な「筋肉のコリ」だからです。

側弯症の方の体で起きている問題は、単なる筋肉疲労ではありません。 もっと深いレベルでの「筋膜(きんまく)の癒着(ゆちゃく)」や、「関節のロック(拘縮)」が複雑に絡み合っています。これらは、表面を揉むだけでは解消されません。

今回は、側弯症の「痛み」と「動きの悪さ」を根本から変えるために必要な、プロの施術アプローチ(筋膜リリースと関節調整)について、そのメカニズムを解説します。

1. 筋膜リリース:ねじれた「全身タイツ」を整える

まずは「筋膜(きんまく)」の話です。 筋肉は、ソーセージの皮のような薄い膜で包まれています。そしてこの膜は、全身ウエットスーツ(全身タイツ)のように繋がっています。

側弯症の方の体は、このウエットスーツ自体が強くねじれている状態です。

想像してみてください。 ねじれて引きつったウエットスーツを着たまま生活していたらどうでしょうか? 腕を上げようとしてもスーツが突っ張って上がらないし、じっとしていても締め付けられて苦しいですよね。

この状態で、中身の筋肉だけをマッサージしても、外側のスーツ(筋膜)がねじれたままなら、すぐにまた筋肉は圧迫されてしまいます。これが「すぐに戻る」原因です。

【側弯症へのアプローチ】 必要なのは、「癒着(ゆちゃく)を剥がす」という作業です。 特に、カーブの凹側(背中が凹んでいる側)や、肋骨の間では、筋膜同士がベッタリとくっついて固まり、セメントのようになっています。

施術では、この癒着部分を指や手のひら、時には専用のツールを使って、じっくりと持続的な圧をかけながら「剥がして」いきます。 痛みを感じることもありますが、剥がれた瞬間に「あ、背中が広がった!」という、皮膚が呼吸するような開放感を感じていただけるはずです。

 

2. トリガーポイント療法:痛みの震源地を探す

次に「トリガーポイント」です。 第2回でお話しした通り、側弯症の方は「背中が痛いのに、原因は腰」「右が痛いのに、原因は左」ということが頻繁に起きます。

痛む場所(患部)は、あくまで被害者であり、犯人(痛みの引き金=トリガーポイント)は別の場所に潜んでいることが多いのです。

【側弯症へのアプローチ】 側弯症の方によくある「犯人の隠れ場所」にはパターンがあります。

  • 肩甲骨の内側の激痛 → 実は、首の前側(斜角筋)脇の下が原因であるケース。

  • 腰の重だるさ → 実は、お尻の奥(中殿筋)お腹の奥(大腰筋)が硬縮しているケース。

プロの施術では、「痛いところ」だけでなく、背骨のカーブや体の連動性を読み解き、この遠隔にあるスイッチ(トリガーポイント)を押します。 すると、「あ!そこを押されると、いつも痛い背中に響きます!」という感覚(関連痛の再現)が起こります。これこそが、痛みの根っこを捉えた証拠です。

3. 関節モビライゼーション:錆びついた蝶番(ちょうつがい)に油を差す

そして最も重要なのが「関節」へのアプローチです。 背骨や肋骨の関節は、本来ドアの蝶番のように滑らかに動くはずですが、側弯症の方はここが錆びついてロックされています。

ここで誤解してほしくないのは、「ボキボキ鳴らす矯正(アジャストメント)」だけが正解ではないということです。 側弯症の背骨は不安定なため、強い力で無理やり捻るようなボキボキ矯正は、逆に組織を痛めたり、防衛反応で余計に固まったりするリスクがあります。

【側弯症へのアプローチ】 私たちが推奨するのは、「モビライゼーション」という、より繊細な手技です。

関節に対して、優しく、しかし確実に、本来動くべき方向へリズミカルな反復運動を与えます。 錆びついた蝶番を、少しずつ小刻みに動かして油を行き渡らせるようなイメージです。

特に重要なのが「肋椎関節(ろくついかんせつ)」、つまり背骨と肋骨のつなぎ目です。 ここが数ミリ動くようになるだけで、ガチガチだった胸郭がバネのような弾力を取り戻し、呼吸が劇的に深くなります。

4. 施術を受ける時のポイント

これらの専門的な施術を受ける際、患者さんであるあなたにも知っておいてほしいことがあります。 それは、施術は「受け身で寝ていれば治る修理」ではないということです。

癒着を剥がす時、関節を動かす時、施術者はあなたの体に「ここ、動いていいんだよ」「こっちに伸びていいんだよ」と教えています。 その時、あなた自身も「そこを緩めよう」「息を吐こう」と意識を向けることで、効果は何倍にも跳ね上がります。

施術は、セラピストとあなたの「共同作業」なのです。

まとめ:体は必ず応えてくれる

側弯症の施術は、決して力任せに行うものではありません。 むしろ、複雑に絡まった糸を、一つ一つ丁寧にほどいていくような繊細な作業です。

  1. 筋膜リリースで、ねじれたスーツを脱がせる。

  2. トリガーポイントで、痛みの根源を絶つ。

  3. モビライゼーションで、錆びついた関節に潤いを与える。

この3つが組み合わさった時、あなたの体は「あ、私ってこんなに動けるんだ」と思い出します。 その感覚こそが、改善への第一歩です。

次回予告:施術の効果を「維持」するために

さて、素晴らしい施術を受けて体が楽になりました。 しかし、ここで最大の敵が現れます。「ホメオスタシス(恒常性)」です。

悲しいことに、長年側弯症と付き合ってきたあなたの脳は、歪んだ状態を「正常」だと記憶しています。そのため、せっかく整えても、数日経つと「元の歪んだ状態に戻ろう」とする力が働いてしまうのです。

この「戻り」とどう戦うか? 次回は、第7回「なぜ『定期的なメンテナンス』が絶対に必要なのか? 体の『形状記憶』との戦い」について解説します。 通院頻度の目安や、卒業のタイミングについてもお話しします。

※ご相談はこちらからお気軽になさってください。

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