第6回：なぜ「専門家」が必要なのか？-自己流では難しい根本治療の理由
股関節の痛みに悩んでいる方の中には、「とりあえず自分でストレッチやマッサージをしてみよう」と考える方もいるかもしれません。しかし、結論からお伝えします。変形性股関節症の治療において、自己流のケアには大きなリスクが伴い、根本的な解決にはつながりにくいのが現実です。
今回は、なぜ専門家のサポートが必要なのか、その理由を3つの視点から解説します。
理由1：あなたの痛みの「本当の原因」は自己判断できない
一言で「股関節痛」と言っても、その原因は千差万別です。
- 臼蓋形成不全によるもの
- 長年の姿勢の悪さによるもの
- スポーツや事故によるもの
- リウマチなどの自己免疫疾患によるもの
痛みの原因が異なれば、適切な治療法も異なります。 例えば、臼蓋形成不全がある場合、過度なストレッチや特定の筋トレは、かえって関節に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。また、炎症が強い時期に無理なマッサージをすると、炎症をさらに強めてしまうこともあります。
専門家は、問診や徒手検査によって、あなたの股関節の痛みがどこから来ているのか、軟骨の状態はどうなっているのか、周囲の筋肉や関節のバランスはどうかなど、身体全体を詳細に評価します。そして、その原因に基づいた、あなただけの**「オーダーメイドの治療計画」**を立てることができます。
理由2：間違った自己流ケアが「代償動作」を悪化させる
「股関節が痛いから、股関節まわりの筋肉を鍛えよう！」 そう考えて、テレビやインターネットで見聞きした筋トレを試したことはありませんか？
しかし、専門家の指導なしに筋トレを行うと、間違ったフォームで筋肉を使い、「代償動作」を強化してしまうことがあります。 例えば、お尻の筋肉（大殿筋）を鍛えたいのに、太ももの前の筋肉（大腿四頭筋）ばかりを使ってしまい、股関節への負担が増大するといったケースは少なくありません。
専門家は、患者様の身体の使い方を細かくチェックし、
- どの筋肉が弱っているのか
- どの筋肉が過剰に緊張しているのか
- 正しいフォームで動作を行うにはどうすれば良いか といった点を指導することができます。これにより、正しい筋肉が使われるようになり、股関節への負担を根本から軽減することができます。
理由3：変化に合わせた「治療計画」の修正が必要
変形性股関節症の症状は、その日の体調や天候、進行度合いによって常に変化します。 「先週は痛みが軽かったのに、今日はなぜか痛みが強い…」 といったことは、患者様にとって日常的なことです。
自己流のケアでは、このような変化に対応することが難しいのが現実です。 しかし、専門家は、毎回の施術で患者様の状態を細かくチェックし、その変化に合わせて治療計画を柔軟に修正していきます。
- 炎症が強い時期は、痛みを和らげることを優先する
痛みが落ち着いている時期は、可動域の改善や筋力強化に重点を置く このように、**「今のあなたに最も必要なケア」**をタイムリーに提供できるのが専門家の強みです。
※ご相談はこちらからお気軽になさってください。
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